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BCPをBCPとして使わずに有効活用を

はじめに(注意事項)


こちらの内容は、記載している企業、企業の皆様やそこで働く皆様、作っていたBCPの内容などを否定する意図で書いたものではありません。残念ながらこのような事態が生じたのは事実であり、そこからどのように考えないといけないかというものを書きたかったものです。一部個別情報など伏せた形で記載しています。また、詳細まで理解していないので、推測の部分もあります。決して否定などの意味はありません。ご了承の上、お読みいただけますと幸いでございます。


BCP(事業継続計画)について思うこと


BCP(事業継続計画)というものがあります。私はこのBCPというものが非常に重要であると思いますが、世間では、BCPは「無駄なもの」という声が多いです。

なぜでしょうか?BCPは、災害など有事の際に、会社の中核事業を早期復旧させるものです。

確かにこれがあれば万能であるということは申し上げません。想定の範囲を超えた事象が生じることの方が多いと思います。しかしながら、災害時は、すべき業務が増えますし、人員も100%集まるとも言えません。

そんな時に、100やらないといけない事があれば100できるでしょうか?1でも2でもやるべきことを減らしておくことが大切です。

そして、例えば、有事の際に通常の仕入先から資材を入れられない場合どうすればいいでしょうか?取引先に電話一本で「ごめんね!」といって済ませるのでしょうか?

自社の所在地が災害に合っていなくても、仕入先が被災していた場合、どこから仕入れればいいでしょうか?

人が集まらなかった場合どのようにして納期を間に合わせればいいでしょうか?

最悪、取引先との取引が切れてしまいます。

災害時にサプライチェーンをどのように確保しておくかも重要ですし、人が集まらない場合に「業務を知らないから」などで業務を止めることが無いように人災育成も必要だったりと、災害時だけの対応ではなく、それまでに構築しておくものの検討も必要です。

業務を復旧できないからと、販売先が別の事業者との取引を開始し、取引が移ってしまうことも想定されます。


BCPをBCPとして使うなという意味


私はこのBCPをBCPとして使うなと申し上げたいです。BCPは専門的過ぎてどこから手を付けていいのかわからないなどの声も聞こえたり、災害が起こってみないと、その時が来ないとわからないから作っても仕方ないという声をよく聴きます。

そうではないのです。BCPを作るプロセスというものが非常に大切です。

業務の棚卸によって、脆弱な部分などをいかにして補強しておくかというところが大切であり、設備投資を闇雲にするのではなく、必要なものを購入する手段となったり、必要な人材教育をしたりなどでとても大切なことであると考えています。


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写真のとおり、大手企業でも何か必ずあります。写真の最後の方で「BCPの重要性を改めて認識させる教訓」とあります。

日本は、特に日本の中小企業はBCPに関しての認識が少し低いのかなと感じます。それは中小企業支援者が意識してその本当の必要性を伝えていないことや専門的過ぎること、時間が非常にかかる事などが挙げられると思います。

しかしだからと言って作らなくていいのでしょうか?

私はBCPをBCPとして使うなと申し上げます。

BCPは「自社の『今』の客観視」に最適なものです。そして戦略の構築に非常に役立ちます。どこの部分が弱いかなどを詳らかにすることで、何をどのように投資するか、どこの部分の取引先を増強するか、新たな売上をどのように作るかなど

会社の今を見て先に繋げるために非常に有効であると考えます。


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写真にあるように、今回の大手企業の事例については、DX化の流れで、システムを統合したことも要因であると。

システム関係に疎く素人な私には、システムが統合されているのであれば、どこかが突かれてしまうと、全てがだめになってしまうのかなと思うところ。

コスト面や利便性の追求は非常に大切ですという前提の下、全てをそれに頼りすぎるのも危険かと思います。これは売上にも通じています。

売上の多くが一社依存などよくあることですが、その売り上げがなくなってしまった場合どうするか?という観点での検討というものはなされているのでしょうか?

つまり、その場その時の最良の選択が、後々悪い結果になる可能性もあります。

そう言った部分の検討にもBCPを役立てることができると考えます。

今回の事案は、その会社だけでなく、業界的、社会的に大きな影響が出ています。「BCPを作っていてもこうなるじゃないか」という御意見もあるかと思いますが、BCPの作り方の中で、変わってきます。場合によってはシステム面のところまでの検討が及ばなかったのかもしれませんし、セキュリティ面で非常に優れているもので、どのような攻撃にも対応可能であるというもと、脆弱性の検討まで及ばなかったのかもしれません。有事の際の代替手段などの検討がなされていたのかなど疑問があります。

BCPを持つ大手企業でこういった結果なので、むしろあってもなくても同じじゃないか?ではなく、BCPがあったから、もしかしたらこのくらいで済んでいたのかもしれません。

そこはわかりません。

しかしながらBCPを作る過程で、きちんと事業の棚卸をし、細かく脆弱性の見える化をすることが肝要です。


小さな企業ほど、作れる時に作っておいた方が良い


大手企業までなると、分析するものが非常に大きい。規模が小さい会社ほど作っておいて、作る癖をつけることが必要かと思います。個人事業主の方もそうです

できる時に比較的時間をかけず、それを作る癖をつけておけば、規模が大きくなっても追加していくだけ。

今回のようなサイバー攻撃があっても、バックアップをどのように行うか、システムが完全停止しても代替手段をどのように構築しておくかなど、しっかりと準備して前向きな業務に従事することが可能となるでしょう。

BCPは無駄ではなく、有効活用して、取引先よりも一歩先を行く経営基盤を構築してほしいと考えています。

BCPのご相談などありましたら、ご連絡ください。

 
 
 

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