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孫子の兵法は「勝つための本」だと思っていませんか?

「孫子の兵法」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?

「戦略」「競争に勝つ方法」「ライバルを打ち負かすための兵法」

おそらく、このようなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

実際、ビジネス書でも「勝てる仕組みを作る」「勝ちパターンを構築する」といった形で紹介されることが少なくありません。

もちろん、それらの考え方が間違っているとは思いません。

しかし、私が中小企業支援やBCP(事業継続)の視点から孫子を読み返すと、まったく違う本質が見えてきます。

それは、

「どうすれば勝てるか」ではなく、「どうすれば負けない会社をつくれるか」という考え方です。

孫子の「形編」には、こんな言葉があります。

「不可勝は己にあり、可勝は敵にあり」

私は、この一文こそ形編の本質だと考えています。

市場環境や競合他社、景気など、「勝てるかどうか」は自社だけでは決められない要素もあります。

しかし、「負けない状態をつくること」は、自分たちの責任で実現できます。


例えば、

  • 十分な利益を確保できているか

  • 資金繰りに余裕があるか

  • 特定の社員に依存していないか

  • 顧客が偏っていないか

  • 経営理念や判断基準が共有されているか

  • BCPが整備され、有事にも事業を継続できるか


これらは、競合他社の動きとは関係ありません。

自社の努力で整えることができる「負けない土台」です。

逆に、この土台を整えないまま新規事業や設備投資、営業強化だけを進めれば、市場に負けたというより、自ら備えを怠った結果として負けてしまうこともあります。

私は、ここに中小企業経営とBCPの本質があると考えています。

BCPは「守りの経営」ではありません。

安心して攻めるための土台づくりです。

そして、その考え方は、約2500年前に孫子が説いた形編の思想と驚くほど重なります。

だから私は、孫子の兵法は「勝ち方の本」というよりも、

「負けない会社をつくるための本」

として読むべきではないかと考えています。

守りを固めて、初めて攻めることができる。


それが、中小企業経営における「まずここ」なのではないでしょうか。

 
 
 

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